5歳以降(小学校入学後)の特別支援プロセス
※保育園からEHCPを所持している場合は、入学のルートが特殊な場合があります。またEHCP未取得であってもお子さんが明らかにSENのサポートを必要としている場合、小学校決定や入学後引継ぎなどの段階で学校のHead TeacherSENCOや面談をすることが多いです。保育園から小学校への移行については割愛しています※
学校のSENに関する相談窓口
Maintained Nursery同様、Maintained School(地方自治体から資金提供を受けている学校)には必ずSENCOが配置される。
特別支援に関する基本的なやりとり・相談窓口はSENCOとなります。
SENのサポート
子どもが学業に困難を抱えていると特定され、特別な支援が必要であると判断された場合、学校の介入が始まります。
このサポートは、「Additional SEN Support」と呼ばれるプロセスを通じて提供されます。子どもの学習に対する障壁を取り除き、十分な教育を受けられるようになることを目的としています。
この支援は、Assess-Plan-Do-Reviewのサイクルを継続的に繰り返し、子どもにとっての最善策を見直しながら支援を継続します。(保育園での支援説明では割愛していますが、同じサイクルの評価を使っています)
1. Assess(評価)
SENCOは学校でSENのサポートが必要であると考えられる子どもを一定期間観察し分析します。保護者と面談を行い計画の作成の参考にする場合があります。外部機関(発達支援関連:地方自治体のチーム、医療関連、言語・作業療法士など)の専門家がすでに子供や若者に関わっている場合は、それらのアセスメントを参考にする場合があります。
2.Plan(計画)
学校が子供に対してAdditional SEN Supportを導入することを決定した場合、個別支援計画(ISP)が作成され、保護者はその計画内容を確認し同意する必要があります(学校によってはISPの説明・同意の保護者会が設けられる場合があります)。計画の主な内容は以下の通りです;
- アセスメント内容
- 実施される介入、およびサポート
- 支援の結果として期待される子供の変化・目標
- 明確なレビュー日
3. Do(実行)
学校は個別支援計画の実施に関わるスタッフと計画内容を共有し連携しながら行う必要があります。
4. Review(レビュー)
SENCOやスタッフのアセスメントを基に、保護者との面談を行い計画に田する再評価を行います。ここで計画内容の改善が必要と判断された場合は新たに修正案を作成し、計画の実行、レビューというサイクルを繰り返していきます。
ISPからEHCPへの移行
個別支援計画(ISP)に基づくサポートを行っているにもかかわらず、子どもに期待される変化が見られない・学校の提供できるサポート資源を超えて支援が必要になると学校が判断した場合、次のステップとしてEHCPの取得(EHCPについてのページは現在作成中)へと移行します。
EHCPを取得した場合、年1回のレビューがあり、内容を見直します。
EHCP: Education Health and Care Plan
25歳までの子供または若者の特別な教育ニーズに対し、彼らが必要とするサポートを説明する法的な文書です。
とても簡潔に説明すると、加配サポートを受けたり特別支援学校に入るために必要な印籠のようなものです。
そして子供のEHCPのbandingなるものがあり、自治体から支給される金額(それで学校側が加配のために必要な費用を出すことができます)がそのbandingによって異なります。
学校外のサポート機関・専門職
個別支援計画に加えてさらなる支援の必要があると判断された場合、もしくはEHCP取得のプロセスの中で外部の専門家が関与する場合があります。
具体的にどのように外部から専門家と連携するかについては、子どもの状況や学校の、自治体により異なります。
- Behaviour Support Services:自治体のSEN Advisory Teamなど
- Educational Psychologist:教育心理学者
- Speech and Language Therapists:言語聴覚士;
- Occupational Therapists:作業療法士;
- Child and Adolescent Mental Health Services:児童青少年精神保健サービス (CAMHS)。
参考リンク
SENのプロセスについて大まかな流れを解説している現地サイト